ドットサイト 最速の照準器
銃器のサイト(照準器)には、大きく分けて2つの種類がある。一つは通常のアイアンサイト(金属製照準器)であり、もう一つは各種のレンズ等を使用したオプティカルサイト(光学照準器)だ。それぞれに一長一短がある両システムだが、軍用銃として考えた場合、スナイパーのような特殊な用途以外にはアイアンサイトを選択するケースがほとんどだった。特にライフルスコープのような望遠照準器の場合、動かない遠距離の夕一グットに対しては抜群の効果を挙げるのに対し、相手が激しく移動している場合、もしくは射手が移動しながらの射撃においては非常に不利となる。熟練者でなければ多少サイティングが甘くても、あるいは周囲の明るさや相手の服装によって照準の正確さに変化が生じても、「応用範囲の広さ」という点においてはアイアンサイトに一日の長があると見なされたのである。だが1990年代前半、事態は急変する。数ある射撃競技の中でも最もラディカルでアクション性の高い「lPSC:イプシック」の世界に、ドットサイトが殴り込みをかけ、次々と優勝を重ねたのである。鏡筒内に光る赤い1点をターゲットの中心に合わせるだけでよいというその簡便さに加え目のフォーカスを相手に合わせたまま、しかもその動きを追いながら照準を定められるというこのドットサイトの利点は、すぐさま多くのシューターたちに受け入れられた。シューティング界には、軍・警察関係のインストラクターや射撃教官たちの多くも積極的に参入していたという背景もあり、ドットサイトは直ちに各種の軍・警察関係のウェホンに搭載され、テストが開始された。当初はそのメカニズムの耐久性や安定性に不安定さが指摘されていたが、やがてはAIMPOINT社のCOMP-MILをはじめとするヘビーデューティ・タイプにインプルーブされ、現在ではあって当たり前の装備の一つとして数えられるまでになった。M4A1をはじめとするフラットトップレシーバー付きのアサルトライフル&SMGは、このドットサイト等オブティカルサイトの搭載を前提に設計&製作されているのである。
