工房ダイアリー

KA製トロイCQB手直し&カスタム(2008.02.23)

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本日の作業はキングアームズ製トロイCQBのカスタム及び手直し作業です。とりあえず、お客様からお持ち込み頂いた状態だと、初速は約70m/s(0.2g)と非常に低くギアノイズもかなり発生している状態です。

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まずはメカBOXを分解し、内部を見てみます。パッと見た感じで怪しいな~という点はまずはメインスプリングです。明らかにブツ切りしてあります、おそらく初速調整の為かと思いますがここまで全長が短くなってしまうと電動ガンの場合は色々と弊害が出てきます。メインスプリングの全長が短すぎて発生する代表的なトラブルは①初速が出ない又は安定しない②ピストン&SPガイドの間でスプリングが暴れてしまい共鳴音が出る(所謂、バネ鳴きと言われている症状です)③ピストンのリバウンドを抑える事が出来ずにギア破損、の3点です。①、②に関しては電動ガン以外のボルトアクション等でも発生する症状ですが③のギア破損は電動ガンならではのトラブルです。メインスプリングには「ピストンを勢い良く前進させて圧縮空気を作り出す」という皆さんも良くご存知の役割がありますが、しかしそれ以外にもピストンのリバウンドを抑えるという大事なお仕事があります。この点に関しては意外と認識されていないようですがトラブル無く電動ガンをドライブする為には非常に重要です。勢い良く前進して来たピストン(ピストンヘッド含む)はシリンダーヘッドに当たって止まります。ではシリンダーヘッドに当たって止まったピストンはその後、どうなるかというと...当然跳ね返ってくるんですね。壁に投げたボールが跳ね返ってくるのと同じです、じゃないと壁相手に一人キャッチボールが成り立たないですからね。(ちなみに私は子供時代かなり一人キャッチボールをしていました。ひょっとしてお友達いなかったのかな...)もちろんシリンダーヘッドには衝撃吸収用のラバーダンパーが張ってありますがゴム板1枚で勢い良く前進してきたピストンアッセンブリー全体の運動エネルギーを一発で減衰する事は不可能です。超高性能オイルダンパーでも付いてりゃ話は別ですが。という事でここからがメインスプリングの知られざる裏家業が始まります(笑)勢い余って跳ね返ってきたピストンをメインスプリングは一生懸命になだめつつ押さえつけ、跳ね返らないようにふんばります。メインスプリング的には「まぁまぁ、落ち着けよピストンよ~。お前の気持ちはわかるけど、ここは堪えてくんね~か」みたいな感じでしょう、たぶん。という事はメカBOXにセットした状態でほとんどテンションがかからない程の短いスプリングはピストンを押さえつける事が出来ませんのでリバウンドしてしまいます。ピストンがリバウンドするという事はピストンに付いているラックギアも一緒にリバウンド=位置がずれる、という事ですのでセクターギアとの噛み合う歯の位置が狂ってしまいギア破損になります。ふぅ~長かった。

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論より証拠という事で、組み込まれていたピストンです。ピストンのリバウンドを許してしまうと、このように後ろから2,3枚目が削れてきてしまいます。メインスプリングというのはある時はピストンの尻を叩き「早く進め!」と言ってみたり、ある時は跳ね返るピストンを「まぁまぁ」となだめたりと、何とも飴とムチを上手く使い分ける恐ろしい奴なんですね~(笑)という事でメインスプリングに関しては安易にカットしない方が良いです。どうしてもカットしたい時は最大で2巻カットまでかと思います。メカBOXにセットする時にほとんどテンションがかかっていない場合は確実にトラブルが出ますのでご注意下さい。

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今回のカスタム作業には当初ピストン交換は含まれいませんでしたが、破損していましたので交換となりました。前回のP90でも紹介しましたがこのように2枚目を削ってから組込みます。こうする事で万が一リバウンドした時でもある程度のレベルまではタイミングずれを吸収してくれます。

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あとは通常通りのカスタム作業(メインスプリング、ハイスピードギア、コードKIT交換等...)を行い実射テストしたところ、先程よりかは上がりましたがそれでも初速が約80m/sと低かったので再度分解してチェックします。原因はどうやらシリンダーヘッドの寸法が小さいようでシリンダーとの結合部からエアーが漏れていたようです。シリンダーヘッドを交換したところようやく正常な初速値(約95m/s)になり一安心です。ギアノイズの方もギア交換&再シム調整をしたところかなり良くなりました。実はここ最近、非常に増えているご依頼が今回の様な海外製コンバージョンKITの手直し作業です。購入後、ご自分で組んだ、もしくは他のショップさんにてカスタム済み完成品として購入したがイマイチ調子が良くないので、という事でお持込になる方が増えています。海外製コンバージョンKITに関してはほとんどの場合、ある程度の調整作業が必要になります、最も多いのが初速が低いという症状です、それ以外ではバネ鳴き、盛大なギアノイズ、給弾不良等も結構多い症状です。今回の様にスプリング、シリンダーヘッドが原因ならば交換で済みますので簡単ですが、これがチャンバー周辺が原因になるとかなり難しく一般の方だとお手上げかと思います。幸い当店では様々な海外製パーツの組込を行ってきていますのである程度のモノであれば本来の性能に戻す事が可能です。(稀に私達もお手上げなツワモノも存在しますが...)海外製コンバージョンKITを購入してお困りの方はお気軽にご相談下さい。

KEN

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修理・カスタム作業の現場のナマの声を紹介するコーナー。海外製電動ガンならではのトラブルや、その手直しノウハウをお見せできるところまで解説します!

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