工房ダイアリー

M16マッチライフルカスタムガン(2008.07.03)

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大変ご無沙汰しております、久々の更新となってしまいました。現在、大変多くのお客様よりフルメタルコンプリート(FMC)&各種カスタム作業のご注文を頂いており、なかなか「工房ダイアリー」を更新出来ませんでした。(お待ち頂いているお客様へはお渡しが遅れております事をお詫び申し上げます。)本日の作業はM16マッチライフル風のカスタムガンです。お客様よりお持込頂いた時点で既に内部はある程度カスタム済みとの事ですが、いかんせん「そもそも作動しない(泣)」という事で当店にて修理&再カスタム作業で入院となりました。

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まずは分解の為にグリップエンド(底板)を外すと、明らかにぶっとい配線が現れました。恐らく自作コードかと思われますがこの太さだとモーターを圧迫してしまいますのでスムーズな作動は望めません。長さに関しても、-側が長すぎてかなり余ってしまっています。ついでに余った配線をグリップ内に無理やり押し込んでいる為、更にモーターを圧迫しています。この状態だとモーターは確実にロックしますので作動しません。電動ガンの配線の太さや長さ、というのはかなり厳密に設計されています。※この点に関しての詳しいお話やトラブルシューティングは「SR-25 URX 手直し作業」をご参照下さい。
当店では「ハイレスポンスコードチューンKIT」という商品を販売していますが販売前の試作段階では大変苦労した記憶があります。特にグリップ内の配線の長さはミリ単位で寸法を管理しないと作動に影響が出る、という事を嫌という程経験しました。DIYで配線KITを製作される場合は線径・長さは厳密に純正品をトレースして下さい。どんなに通電性の良い高性能な配線でも上記の点を間違えると単なる「抵抗の塊」になります。

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レシーバーからメカBOXを取り出すと...、ベアリング軸受けが1個組み込まれていませんでした。6mmサイズのベアリング軸受けの場合、破損してしまい時々この様になる事はありますが、その場合、軸穴周辺に多少の残骸(笑)はありますし、今回のベアリングはそもそも7mmサイズですのでまず破損の可能性はありません。という事は、組み込み時に忘れてしまったかと...。過去にこの状態で作動させていた場合、かなりの確率でギアは使用不可となります。軸受けの無い状態でギアを回転させるという事は、ギアシャフトは暴れ回りながら回転しますのでギアにとっては致命傷になります。

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それ以外ではメカBOXのマガジンキャッチを通すガイドが折れています。このガイドが無いとマガジンキャッチが機能しなくなりますのでメカBOX交換になってしまいます。

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という事でようやくメカBOXに辿りつきました。ここから内部パーツの点検作業になります。

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「SUPER-1Jカスタム」は強化ギアセット、メインスプリング、ピストンヘッド、シリンダーヘッド、シリンダー、軸受け、スプリングガイド、ハイレスポンスコードチューンKIT等の交換作業が含まれていますので、それ以外の要交換パーツとしては、ピストンのみで済みそうです。後ろから2,3枚目が削れています。通常このパターンだとメインスプリングのテンション不足が疑われますが、今回組み込まれていたメインスプリングは不必要なカットもされておらず、テンションも充分にあります。更に、ピストンのかなり前方の歯も削れていますので、恐らく弾詰まりが原因かと思います。

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太い配線を使う事による弊害はこんなところにも発生します。外径が太い為、モーターのピニオンギアを避ける事が出来ずに接触してしまい被覆が破れてしまいます。それ以外でも逆転防止ラッチの動きを妨げたり等、様々な弊害を発生させます。

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メカBOXを交換して通常通りのカスタム作業を行ったところ初速も約93~94m/sで安定し、変なギアノイズも発生しておりませんので一安心です。正直なところ今回の作業は思ったよりもスムーズに完了しました、やはりポイントは「カスタムは一気に作業する」という点だと思います。推測になりますが、例えば既に組み込まれていたパーツを再利用する、となると恐らくもっと難航していたはずですし、その場合、要交換パーツはパーツ単品での交換になりますので結局は高くつく事になります。今回は「SUPER-1Jカスタム¥24.150」でしたので元々、かなりのパーツ交換&分解組込工賃が価格に含まれています。これが使えるパーツは再利用するとなると、パーツ単品交換+分解組込工賃という計算になりますからアッという間に高くつくはずですし、今回の様に安定して性能が出る確証もありません。「SUPER-1Jカスタム」に限らず当店のカスタムメニューはパーツ単品で交換していった場合に比べてかなりお得な内容になっていますのでこの方法を使わない手はありません(笑)ちょっと宣伝っぽくなってしまいましたが事実、この方法がお客様にとっても費用対効果で考えるとベストだと思います。

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今回、お客様からのご要望でワンオフのサイレンサーアダプターを製作しました。この機種は先端のアウターバレルが取り外せる様にはなっていますが、一般的な14mmネジでは無い為、サイレンサーが取り付け出来ません。そこで14mm(逆ネジ)に変換するアダプターを製作しました。こういうワンオフの削り出しパーツを見ると興奮してしまうのは私だけでしょうか...。

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装着するとこんな感じになります。これで14mm逆ネジ対応の様々なサイレンサーが取り付け出来る様になります。当店では今回の様にワンオフでのパーツ製作も承っております。専門の加工屋さんにお願いしますので価格は結構お高いですが、世界に一つだけのパーツが欲しい、という方はご相談下さい。

KEN

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修理・カスタム作業の現場のナマの声を紹介するコーナー。海外製電動ガンならではのトラブルや、その手直しノウハウをお見せできるところまで解説します!

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